作品紹介（最終回）

　今回は細長い画面の2対の静物画です。

　初めから対で描いたわけではななく、偶然こういう形になりました。
　左の黄色い作品は2011年の作品を加筆修正したもの。右側は2020年に描いたものです。

　5月に入り、右側の青と白の静物画が完成間近になったとき、そろそろ額に入れてみようと額を保管している棚を探していたら、左側の作品が額に入っているままの状態で出てききました（写真１）。今から9年前にデパートで夫と展覧会をした時に制作した作品で、モチーフの鳥の振り子は夫の作品。

　あっさりした感じの作品ですが、実は非常に苦心をした作品でした。会場に並べてみたものの「何か違うな～、何が悪いんだろう」と喉に魚の骨が引っ掛かっているような感じをずっと抱いていて、ＰＣ等で作品データで見返すたびに、もやもやした気持ちになっていました。
　
　久々に作品が出てきたので、試しに別の額に入れてみた所、知恵の輪が外れたように、突然もやもやの原因が分かりました。一生懸命描いていた時には全く気付かなかったのですが、結局主役のレモンに対して他の部分がうるさかったんだと思います。素直にレモンが見えてスッと目線が上がるよう色味を整理し、見えすぎる形を消したりしました（写真２）。こんなふうに長い時間を経て急に問題が解決できたりするから、制作って面白いものですね。

　そして黄色いレモンの絵を隣に並べることで、これまで描いていた右側の作品はよりくすみのないものに仕上がりました（写真3）。これらの作品はシンプルに青や黄色の発色を楽しんでいただけたら嬉しいです。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


4月下旬から始めた作品紹介も今回で最終回となりました。
長期間お付き合い下さった皆様ありがとうございました。
来週の金曜日は飾りつけ、土曜日（13日）より個展が始まります。

また、ウェブ上での全作品の紹介は14日の予定です。

遠方の方や外出が難しい方にもお楽しみいただけたら嬉しいです。

以前の作品紹介はこちらから 

Vol.1「緑の手」　Vol.2「光の庭から」　Vol.3「草花の見る夢」　Vol.4「光の手」　Vol.5「祭りの日」「代掻く」

Vol.6「黒い馬・祝祭」

→特設サイトトップページへ戻る