毎週金曜日更新
作品紹介Vol.2
光の庭から
F100(162cm×130.3cm)
キャンバス・油彩
2019
Vol.1で紹介した「緑の手」と近い時期に制作した大作です。アトリエの勝手口を開放し、逆光の人物を描きました。
この年の春に描いた130号(写真1:途中経過)は肩の厚みに課題が残ったことから、この作品では肩の動きがポイントになるようにしました。また、大画面を描く場合は大体複数の人物で画面を構成したり色数の制限をしたりしていたのですが、この作品では従来の進め方から離れ、ニュートラルな状態で進めることを心掛けました。
できるだけ感じた色をそのまま置くよう気分良く進めましたが、それでも仕上げの段階では整理も必要で。搬入直前まで背景の色数に悩みました。実際、会場で作品を観た時は「背景をグレー調でまとめた方が主張が明快だったな」と瞬時に感じました。ただ、それは同じサイズの沢山の絵が並ぶという非常に特殊な環境下での見え方であって、長時間この作品だけを観た場合はそうとも限らない。これはこれで良かったと、今は思います。
さて、個展から話が逸れるのですが、去年の冬は低い彩度・明度でまとめてみようと思い、同じ場所で扉を閉じ、光の量を最小限に絞った逆光の人物を描いたのですが、未だに完成していません。
やっていることは地味ですし、特別目新しいこともしていないのですが、それでも際限のない世界で右往左往させてもらえることは幸せなことだなぁとつくづく思っています。
その他の作品紹介はこちらから
Vol.1「緑の手」 Vol.3「草花の見る夢」 Vol.4「光の手」 Vol.5「祭りの日」「代掻く」
Vol.6「黒い馬・祝祭」 Vol.7「振り子とレモン」「花と小鳥と」
作品についてのお問い合わせは
アンクル岩根のギャラリー(090-2864-4852)まで。